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組み込みシステム開発評価キット


M32Rシステム セットアップ手順

 ここでは“組み込みシステム開発評価キット” に、ソフトCPUコアM32RをFPGAに組み込んだシステムのセットアップ方法について解説します。
 組み込みシステム開発評価キットは出荷時標準の状態で、FPGAにMicroBlazeシステムが組み込まれた状態で起動するように設定されています。この状態のままM32Rを組み込んだFPGA用コンフィグレーションデータ(拡張子.bitファイル)をダウンロードすることはできません。下記の説明をよく読み、M32Rシステムを起動できる環境に設定してください。


●手順1 システム制御用CPLDの書き換えから、USB/COM経由フラッシュROM書き換えシステムの起動
 組み込みシステム開発評価キットに電源を入れたとき、まずはじめに動き出す部分として、組み込みシステム開発評価キットのボード上に実装されているシステム制御用CPLDがあります。出荷状態ではMicroBlaze用の設計データが書き込まれているので、これをM32Rシステム用に書き換える必要があります。
 システム制御用CPLDをM32Rシステム用に書き換えるには、FPGA開発ツールISEに添付されているプログラミングツールiMPACTを操作する必要があります。iMPACTはISEをインストールすると同時にインストールされるので、FPGA開発ツールをインストールしたマシンを用意していない場合は、まずはISEのインストールから始めてください。

 まず、ISEをインストールしたマシンと組み込みシステム開発評価キットを、組み込みシステム開発評価キットの取扱説明書p.31の図3.1に従って接続してください。
 ここではシステム制御用CPLDを書き換えるので、組み込みシステム開発評価キット上のジャンパCN16の1-2番ピンをショートさせてください。
 なお、Xilinx社純正のUSBダウンロードケーブルを使ってCPLDを書き換える場合は、CN16の3-4番をショートし、ダウンロードケーブルをCN15に接続してください。

 プログラミングツールiMPACTは、バージョン7.1までとバージョン8.1以降では画面表示周りが大きく変更されています。お使いのバージョンにあわせて、下記の説明に従って操作してください。
▲バージョン7.1
▲バージョン8.1以降(8.1/8.2/9.1/9.2/10.1)

 以上の操作でシステム制御用CPLDを書き換え、A/VプロセッサおよびI/Oプロセッサの各FPGAにコンフィグレーションデータをダウンロードしたら、そのまま評価ボードの電源を切らずに、手順2に進んでください。


●手順2 フラッシュROM書き換えプログラムの操作
 USB/COM経由フラッシュROM書き換えシステムが起動しているかどうかを確認するには、次のようにします。  組み込みシステム開発評価キットのボード上のCOM2コネクタ(CN10)をターミナルと接続してください。通信パラメータは、通信速度115200bps、データ長8ビット、ストップビット1ビット、パリティなし、フロー制御なしです。
 またはアナログRGB出力コネクタ(CN17)をVGAディスプレイに接続してください。
 この状態で、組み込みシステム開発評価キットのボード上のリセットスイッチ(SW1)を押すと、次のようなフラッシュ書き換えログメッセージが表示されます。

BLANCA System boot ... (MicroBlaze)
On Board Flash Write System [USB or COM2]

 次に組み込みシステム開発評価キットのボード上のUSBターゲットコネクタ(CN12)を使ってUSBポート経由でのフラッシュROMの書き換えを行います。Windowsマシン側はUSBハブを使わず、パソコン本体のUSBポートに直接接続するようにしてください。USBハブを使うと、うまく通信が行えない場合があります。USB経由のフラッシュROMの書き換えは1分程度で終了します。

▲USB経由フラッシュROM書き換えプログラムの操作説明


 USB経由の接続がうまく動作しない場合は、組み込みシステム開発評価キットのボード上のCOM2(CN10)を使ったCOMポート経由でもフラッシュROMの書き換えが可能です。USB経由のフラッシュROMの書き換えは5,6分程度かかります。
▲COM経由フラッシュROM書き換えプログラムの操作説明
(↑USB経由でフラッシュROMの書き換えが成功した場合は、この作業は不要です)

 組み込みシステム開発評価キットのボード上のフラッシュROMの書き換えを完了したら、評価ボードの電源をいったん切ってください。
 なお、手順1で、組み込みシステム開発評価キット上のジャンパCN16の1-2番ピンをショートさせている場合は、ここで出荷状態に戻してください(1-2番ピンも3-4番ピンもすべてオープン)。


 ハードウェアのセットアップは以上で終了です。以降は電源を入れるだけでM32Rシステムが組み込まれた状態でFPGAが起動します。


●手順3 プログラム開発ツールのインストールと基本的な使い方
 次に、プログラムの開発環境のインストールについて簡単に解説します。

Cygwinのインストール方法
Cygwin版 M32R用クロスCコンパイラ/デバッガのセットアップと使い方

 なお、EDKとCygwinを一つのPCにインストールする場合は、先にCygwinをインストールしてからEDKをインストールしてください(EDKをインストールした環境にCygwinをインストールすると、EDKが正常に動作しなくなる場合がある)。


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